top of page
検索
  • 執筆者の写真Admin

兼子莉李那氏の講演(知ろうとする姿勢と、伝えようとする勇気)

更新日:2018年1月27日

本企画の基本情報

■開催目的 コミュニケーション能力、及びモチベーションの向上

■開催日 2017年5月20日(土)

■開催場所 文京福祉センター江戸川橋 4F

■プログラム

-9:45-10:00:受付

-10:00-10:20:オープイングトーク

-10:20-11:50:講演(パブリックスピーチ・英語の経験を通じた自己成長)

-12:30-14:00:ランチ交流会

■講師情報

『視覚・聴覚障害を知っていますか?当事者の女子大生が伝えること』 https://www.buzzfeed.com/jp/eimiyamamitsu/ririna-kaneko-interview?utm_term=.eoEKL58QX

『Silence Is NOT Golden | Ririna Kaneko | TEDxSophiaUniversity 』

https://youtu.be/ZiJ_erSX47E


Silence is Not Golden.


2017 年 5 月 莉李那さんの講演で最初と最後に出てきたフレーズである。講演を聞き終わった後、私はどうしてもこのフレーズが頭に残って離れなかった。少し懐古するが、私は子供の頃から障がいがあった事で、幼少の頃から周りの人たちには本意ではない特別扱いをされ、悔しい思いもした。そのせいか、あまり目立たずに生きる事を子供心に決意し、今も心のどこかでそんな気持ちが見え隠れする。そんな思いを持っている障がい者はきっと私だけではないだろう。しかし、彼女が発したこの短いメッセージは、そんな私たちを奮い立たせる力があった。

"伝えなければ誰も分からない”

メッセージはすごくシンプルだ。だけど、私たちが社会的少数者(minority group)である事が、そのシンプルな言葉を実践に移す事を難しくしている。なぜならば、「自分に合わせて貰うと周りが迷惑する、だから自分さえ我慢すればいい」という思いが脳裏に浮かぶからだ。しかし、私たちはいつまで伝える事を臆病にしてしまうのだろうか?伝えなければ誰もわからない、ごく当たり前のことを。

"英語との出会い"

莉李那さんは生まれつき弱視の障がいがあった。だが、そのおかげで「英語」に運命的な出会いをすることになる。幼いころから、英語が好きで特に「英語で遊ぼう」のテレビを見て遊ぶことが多かった莉李那さんにとって、ご両親がそれを勉強する環境を作ってくれた事も当然の成り行きだった。この事が後に「英語」が彼女の人生に大きくかかわっていくことになる。

  • 小4で英検デビュー

  • 小6で英検3級に合格(現在完了形を知らないまま)

  • 中3で校内英語弁論大会優勝

  • 全国模試で満点を取り全国一位

"プライドは成長の邪魔者でしかない"

高校ではあえて帰国子女がいるクラスを選んだ。自分の英語レベルが下になる環境を作る事で、自分の英語力を伸ばしていく為だ。しかし、本場で学んだ帰国子女との英語力の違いに愕然となり、彼女が絶対的に自信を持っていた英語に対する自信が音を立てて崩れていく。

その時に彼女が取った行動は

"自分のプライドを捨てる事"

簡単に言うがそれは多くの人が躊躇し、そして実践するのが難しい。なぜならば、人は自分を守る為に、現状を維持しようとする本能が働く為だ。健常者は勿論だが、障がい者であればなおさらその傾向が強いだろう。なのに、彼女の持ち前の強い心はいとも簡単にそれを実行する。本当に強い人間は時としてプライドを置き去りにする事が出来るのだろう。私たち障がい者こそ「強くなるため」、そして、「前に進むため」にプライドを脱ぎ捨てる勇気を持たないといけない。そんなメッセージが莉李那さんから伝わってきた。

図:質疑応答に対応する莉李那さん

"私だから気づく事を伝える"

大学でも日米学生会議の日本代表を経て実行委員を務める輝かしい経歴を残し、それがきっかけでGoogle のインターンに推薦される。10 週間に渡って行われたインターンでは幾度となくかけられた言葉がある。

  1. 自分だから気づく事を伝える

  2. 自分のユニーク性を大事にする

障がい者が社会の中で生き続けると、時として大きな壁が立ちはだかる時がある。そんな時、私たちは「神様は不公平だ」と思う。ただし一つだけ、障がい者に出来て健常者には難しいことがある。それは障がい者から見た視点を持つことだ。その視点で社会に伝える事、そして社会で生かす事がひょっとしたら我々に神様が与えた使命なのかもしれない。


知ろうとする姿勢と、伝えようとする勇気


莉李那さんは講演の最後にこう語った。

「自分の日常や経験を語ることが健常者・障がい者間にある一線を消すことのきっかけなる事がある。でも、それは私一人が訴えても届かない」

障害者一人一人が伝える勇気を持つこと、莉李那さんが見えている理想の社会は、きっと私たちが行動を起こすことで手に届くところにあるに違いない。


兼子 莉李那さん受賞歴

  • Competent Leader Award Toastmasters International 2016 年 1 月

  • Sophia University Presidential Incentive Award / 上智大学学長奨励賞 Sophia University 2014 年 4 月

  • Competent Communicator Award Toastmasters International 2013 年 6 月

以上。

-レポート作成者 吉岡 弘貴-


閲覧数:566回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page