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  • 執筆者の写真Admin

コーチング

更新日:2019年4月22日

本企画の基本情報

■開催目的

デール・カーネギーの教えをもとに、聴覚障害者を対象にリーダーシップを高めるコミュニケーション技術を学び、グループワークを通して実践力を身に付ける


■開催日

 2019 年 3 月 2 日(土)10:00~12:15


■開催場所

 文京区民センター 3-C


■プログラム

  1. コミュニケーションの方法とフィルター

  2. 聞き取りのレベルとインナービュー

■背景  東京 Connect -SPUTNIK-の Goal は聴覚障害があっても組織のキーパーソンになるスキルを身に着ける事である。スキルの中でも「コミュニケーション」が我々聴覚障害者の課題であり、そして、最も高める必要があるものになる。今回、デール・カーネギーのトレーニングの中でコミュニケーションに絞り込んで、認定トレーナーの指導の下で企画を実現した

■講師  特定非営利活動法人 映像産業振興機構 専務理事 兼 事務局長

 市井 三衛 氏


■経歴

  • 現在:特定非営利活動法人映像産業振興機構 専務理事 事務局長

  • 2002 年 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン 取締役兼 CFO

  • 2005年 専務取締役兼CFO

  • 2008 年 株式会社 EMI ミュージック・ジャパン 代表取締役社長兼 CEO

  • 2013 年 特定非営利活動法人映像産業振興機構 ジャパン・コンテンツ海外展開事務局 事務局長

  • 2017年 現職

前半企画:コミュニケーションの方法とフィルター

■目的

 コミュニケーションのさまざまな形とそのインパクトを考えるコミュニケーションを円滑に進める為に、フィードバックの機会を作る


■進め方

 4人ずつに分かれたグループ毎にリストアップを行って共有する


1)一方向のコミュニケーション手段の洗い出しとそのメリット・デメリット

  • 手段 :メール、手紙/メモ/ボイスメモ/掲示板/ニュースレター/その他印刷物

  • メリット :すぐに出せる/相手の都合に合わせなくて良い/ストレートに話せる

  • デメリット:相手の反応が見えない/読まれているか不明/微妙なニュアンスや意図が伝わり難い

2)双方向のコミュニケーション手段の洗い出しとそのメリット・デメリット

  • 手段 :電話/電話会議/ミーティング/ビデオ会議

  • メリット :互いの感情や意思を伝達しあえる/相手の反応を見ながら内容を変えられる/ ニュアンス/意図が伝わりやすい/すぐにフィードバックがもらえやすい

  • デメリット:時と場所を選ぶ/面と向かって言いづらい事がある/聴覚障害があると難しい

3)双方向のコミュニケーションの時に発生する外的(物理的)なフィルターと内的フィルターの洗い出し

  • 外的フィルター:時間 / 場所 / 体調 / 上下関係

  • 内的フィルター:推測 / 文化的背景 / 人間関係の背景 / 過去の感情の引きずり

相手とのコミュニケーションの際にフィルターがあると、相手が情報の取捨選択を実施して、偏った形で伝わってしまう

写真 1:講演の様子

■まとめ

 コミュニケーションには様々な方法があるが、それぞれにメリット・デメリットがある為、伝えたい内容や、相手との関係性など、状況に応じて使い分けが必要である。また、コミュニケーションを行う際に相手と自分にフィルターがある事を自覚して、それを考慮したコミュニケーション方法を決める必要があり、そうでないと相手に正しく伝わらない、もしくは間違って捉えられてしまうという問題が出てくる。 但し、どの様なフィルターがあるのかは相手をよく理解していないとわからない。その為相手を理解する為 の方法を後半で学ぶ

後半企画:聞き取りレベルとインナービュー

■目的

 関係を強化する効果的な質問と聞き取りを行うインナービューを習得する


■進め方

 2人ずつに分かれてお互い、インタビューを行って相手の価値観を推測する

  1. 聞き取りレベル:相手の話を聞き取るレベルは5段階あり、低い順から並べると下記になる。無視する / 聞くふりをする / 選択的に / 注意深く / 共感して。相手を理解する為には最上位の「共感して」のレベルに達する事が重要

  2. バリューカード エクササイズ:シートに書かれている様々な33の価値観の中から4つを選択し、それを1つずつ減らして最終的に 2つに絞っていく 価値観の例:誠実 / チームワーク / 柔軟性 / 情熱 / 迅速

  3. インナービュー:相手の価値観を知る為の手段。インナービューを使うことで下記を導き出す。共通点 / 共通のニーズ / 共通の価値観。具体的には下記の様に価値観が分かるような質問を行う

例)

  • あなたの人生にもっとも影響を与えた人について教えて下さい

  • あなたが精神的また肉体的にどん底まで落ちた時について話して下さい また、どの様に切り抜けたのですか?

  • 若い人たちにアドバイスを求められたら、どの様な知恵を授けますか?

■まとめ

 相手の話を聞く時は共感(相手の立ち場で話を聞く)して聞く事、そして相手の理解を深める為に価値観を理解する事が大事である。共感して理解が進むと相手との関係性が上がり、その結果、コミュニケーション時に発生するフィルターを無くす、もしくは薄くすることが出来る。また、価値観を理解する為には、インナービューを利用して価値観が分かるような質問をしていく事がポイントになる

写真2:グループワークの様子

考察

 私たちが普段のコミュニケーションの中でどれだけ相手に共感し、そして理解しているのか改めて考えさせられた講演だった。自分の考えを相手に理解して貰うためには、(相手を)理解してから、(自分を)理解されるという流れが必要だが、その理解も表面的であれば効果も限定的になってくる。一方で現在のビジネスはサイクルが早く、私たちはミーティング等のコミュニケーションはなるべく簡素に短い時間で済ませる事が当然になっている為、相手を理解するよりも結論を早く出す事が優先されてしまう。

 その為、相手の理解が表面的になり、合意形成の遅延や認識のずれが発生して結果的にビジネスの進みを遅くしているシーンも散見される。私たちはこの様なケースに陥らないように、しっかりと相手を理解してコミュニケーションをとる必要があり、その為には、ビジネス時間以外のコミュニケーションを意識してとる、ミーティング前のアイスブレイクをしっかりとる等の工夫が必要になる。

 余談になるが講師によると、今まで講演した中で我々の回がデール・カーネギーを知っている人が最も多かったという事だった。これはデール・カーネギーに関連した企画を過去に実施した事が一因でもあるが、コミュニケーションをテーマにするとデール・カーネギーの教えにたどり着いてしまう。著者がこの分野の第一人者という事が改めて裏付けできる。

 興味深いのはデール・カーネギーが半世紀以上も前に書いた著書が、現代でも色あせることなく活用されている事だ。これは裏返すと、時代が移り変わろうとも人間の本質や真理は変わらないという事だろう。この事も今後意識してコミュニケーションをしっかり取っていきたい。

 最後になったが講師には今回の企画の主旨をご理解頂き、ご多忙の中、快く講演を引き受けて頂いた事に深く感謝を申し上げたい。


協力:デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン

https://www.dalecarnegie.com/ja


以上。

-レポート作成者 吉岡 弘貴 -

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