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ワンランク上のコミュニケーション能力を鍛えよう

更新日:2018年2月4日

本企画の基本情報

■開催目的

講演、及びグループワークをとおして、コミュニケーションに関する方法論・知見を見いだし、参加者全員のコミュニケーション能力を向上させること

■開催日 2017年11月18日(土)9:50〜12:30

■開催場所 文京福祉センター江戸川橋 4F 視聴覚室

■プログラム 【前半:講演(35分)】

  • 講演『人を動かすコミュニケーション入門 + 質疑応答力向上』

【後半:グループワーク(95分)】

  • 発表準備:グループ毎にプレゼン内容の意識合わせ

  • 番組企画に関するプレゼンテーション&プレッシャー質疑応答

  • グループ毎に振り返り、審査員フィードバック実施

(終了後、希望者によるランチ交流会)

■講師

都内放送局勤務 管理職(難聴→ろう)

  • 都内放送局初の聴覚障がい者として入局

  • PEPNET-Japan招待講演、社内手話サークル設立等の実績多数

(参考資料)

別団体の講演資料(第12回 日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム p.45~52)http://www.tsukuba-tech.ac.jp/repo/dspace/bitstream/10460/1496/1/319.pdf


■課題図書

社交する人間―ホモ・ソシアビリス(任意. 講師推薦図書)

上記図書を読み、以下箇所をフリクションペンで赤線(共感できたところ・実行に移せそうなところ)・青線(理解できなかったところ)を引くこと

【前半企画】講演:『人を動かすコミュニケーション入門+質疑応答力向上』

<課題図書の目的>

実用書・ノウハウと教養書は両輪で読む。特に古典から普遍的な知恵を学ぶこと。今回の2冊は、「自らが尊重する相手にいかに評価・承認されるか」そのノウハウを論じている


『人を動かす』と『論語』にみる共通項(人間関係の問題)

  • 『人を動かす』➡︎ 相手の立場を理解する

  • 『論語』➡︎ 仁愛=思いやり(恭・寛・信・敏・恵)

【信・恵】:心からほめる

【仁・恭】:思いやり深く

【寛】  :ミスやエラーに寛大


<(聴覚障害者として)人を動かす>

  • 自己の重要感を満たす方法:聞こえなくても聴者の中に、割って入って仕事で成功したい

  • 人を動かすには:人を変えるのは難しいならば、自分を変えるしかないという真理・結論

<まとめ>

  1. 聴覚障害者の政治力:難しく考えない。普段から誰でも使っている。上司・同僚に好かれて引き立ててもらう事が第一歩

  2. 聴覚障害者の根回し力:若手時代に身に着けておきたい、質疑応答力、良い人という評価だけで良いのか

  3. 聴覚障害者にとって暗黙知(耳学問=目学問)とは:マニュアル(表示)化されていない経験や勘に基づく知識に注意!聞こえないから仕方がないで済まさずにアクティブに自分から取りにいく

図1:熱弁をふるう講師

講演を聞いた感想

講演の中で私が特に感心したのは、「OBにアルバイトを辞めていただく説明役に。40歳デスク時(係長クラス)。辛かった」という話です。『人を動かす』でも、人を辞めさせる時どうやって納得して辞めさせるか、という話がありましたが、本を読んで知識としては知っていても、これはかなり人間力を問われる仕事なので、聴覚障がい者にそこまで任せるというケースはあまりないと思います。私も、会社の方針で仕事を発注しないことになったところに「今後、発注しない」と説明する担当をやったことがあります。この時は手話通訳をつけてもらって、相手と話し合いをしました。こういう体験もキャリアアップする上で避けて通れない道ですね。(柴田)

【後半企画】グループワーク:『番組の新企画』というテーマでエグゼクティブ・プレゼンテーション

目的

  1. 相手に伝わるコミュニケーション技術の向上

  2. 質疑応答力の向上(質問に適切に答える技術)

進め方

審査員は、講師(社長役)と当会運営メンバー1名(専務役)の2名とし、放送業界のとある会社を想定して、エグゼクティブ・プレゼンテーションとプレッシャー質疑応答を行った


与えられた課題:『福祉番組の新企画と提案』

  1. エグゼクティブ・プレゼンテーション:A、B、Cの3グループ(1グループ5~6名)に分かれ、順にそれぞれの発表者がプレゼンテーションを行った。プレゼン時間は8分厳守

  2. 質疑応答:審査員に敢えて攻撃的な質問(プレッシャー質疑応答)をしていただき、難局に直面した場合の対処方法も学んだ。質疑応答時間は7分厳守

  3. 意見交換および振り返り:プレゼン後、各グループでプレゼン方法、内容に関して、意見交換および振り返り(KPT ※1)を実施。審査員のフィードバックも実施

※1 KPT:Keep(良かった点)Problem(変えたい点)Try(次に試してみたい点)の3つの視線で整理するフレームワーク

各グループの番組企画、及び質疑応答の内容

Aグループ

  • プレゼン内容:『A新聞社の聴覚障がい者(ベテラン校閲デスク)に関する番組』

  • 主な質問:「A新聞社の校閲デスクを取り上げたいということだが、A新聞社といえばAテレビ社。分かっているとは思うが、我が社とAテレビ社は報道機関としてライバル。わざわざ、A新聞社の人を取り上げるのは我が社的にどうか? 」「プレゼンにもあったように、キャリアアップできる聴覚障がい者は少ない。関心のある人も少ない分野であろう。それを番組として取り上げる意味があるのか?」

  • 感想:プレゼン面では、「お忙しいところ、お時間を作っていただき、ありがとうございます」と社長と専務をお礼の言葉を述べてから、始めていたのがよかったと思う。「なるほど!ああやって、柔らかい雰囲気を作るんだ」と勉強になった。(柴田)

Bグループ

  • プレゼン内容:『聴覚障がいの子供を持つ親に向けた補聴器の情報提供を目的とした番組』

  • 主な質問:「“9歳の壁”とは何か?」「人工内耳が普及しつつある現状で、番組として補聴器を取り上げる意味は?」

  • 感想:これらも実に鋭い質問で、想定される質問を事前に想定して、答えも準備しておく必要性を感じさせられた。(柴田)

Cグループ

  • プレゼン内容:『アメリカのハイテク企業で勤務する聴覚障がい社員に関する番組』

  • 主な質問:「テーマが大きいので、全国区的な番組にふさわしいのでは?」「番組にするには渡米での取材が必要になるが、予算面はどうするのか?」

参加者同士の意見交換(振り返り)
  • Bグループの振り返りが素晴らしい!Keep(良かった点)Problem(変えたい点) Try(次に試してみたい点)を、ポストイットの色で分けているのが視覚的にわかりやすくて素晴らしい。意見の量も多く、参加者から忌憚のない意見を引き出していた

図2:Bグループの振り返り(このポストイットの使い方、見習いたい!by 柴田)

Bグループ・ファシリテーターのコメント

■赤…Keep/■青…Problem/■黄…Try ですが、以下の工夫をした

  1. 説明を変えた ■赤…よかったところ、ここは良かったと気づいたこと、自分もやってみようと思ったことでもOK。■青…あまり良くなかったところ、「ん?」と引っかかったところ、ここは改善の余地があると思ったことでもOK。■黄…こうするともっと良くなるよという提案でもいいし、青の付箋をみて思いついたアイデアでもいいし、今回出てなくても皆と共有したい良い事例でもOK

  2. カラー効果 ■赤…情熱的、活発→人を褒めるテンションが上がる。■青…落ち着き、冷静→問題を冷静に考えて文字化する。■黄…ユーモア、明るい→アイデアを考えるのが楽しくなる

  3. 黄色の使い方 赤と青が多かったのでグルーピングして青を見直し、ラストの5分を黄色に使った。真ん中に黄色があるのは、赤と青に挟まれて、黄色の意見が少ないのが目立つから

以上。

-レポート作成者 柴田一郎-

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