本企画の基本情報
■開催目的 英語の勉強法や悩みの共有、同じ悩みを持つ仲間やコミュニティを創ること
■開催日 2017年8月26日(土)10:00〜12:30
■開催場所 文京福祉センター江戸川橋 4F 地域活動室B+C
■プログラム
【前半:聴覚障害者による英語に関する体験談(20分×3人)】
講演#1(英文メールのコツ by 某製薬会社社員)
講演#2(英文科・教職課程で学んだ女子の体験談 by 某通信会社社員)
講演#3(英語の勉強法 by 某総合メーカ社員)
【後半:グループワーク(75分)】
(終了後、希望者によるランチ交流会)
講演#1(英文メールのコツ by 某製薬会社社員)
主に現在の仕事で利用している海外拠点との英文メールに絞ってお話いただいた。英文メールのポイントは下の5点。
Simple is best(シンプルイズベスト)
Learn how to express gratitude as much as possible(感謝表現をできるだけ多く覚える)
Choose appropriate words when you request/propose/argue something by considering nuances(依頼・提案・私見を述べる時の英語表現のニュアンスに関心を持ち、気を遣う)
Learn how native speakers write e-mails(英文メール文化を知る)
Write easy-readable sentences(読みやすい文章を心がける)
講演#2(英文科・教職課程で学んだ女子の体験談 by 某通信会社社員)
「英語が好き」だったので大学時代に英文科・教職課程を専攻した方から主に英語と日本語の違いや、聴覚障害者の子供に英語を教えるならどうするか、という観点でお話頂いた。
英語と日本語の主な違い:
構造の違い
英語:文の幹が前の方に来る、ローコンテキスト(言葉が持つニュアンスが少ない)
日本語:修飾語が前の方に来る、ハイコンテキスト(言葉が持つニュアンスが多い)
文化の違い:
英語:起きている現象や事実を端的に伝えるため合理的、ストレート。
日本語:行間を読む、言いたいことをはっきりと伝えないことがよしとされる
英語を学ぶにあたって主なおすすめの方法:
文型の基本を叩き込む
人前でアドリブで話す練習をする(迅速に文章を組み立てる力と度胸を鍛える)
長文の中の分からない単語は全部読んだ後に辞書を引く(予想する力を鍛える)
日本語の言葉にこだわりすぎず、意味と情景をイメージして英語に置き換える
最後に、「英語は難しいという思いを捨てること」も大事、というコメントをいただきました。言語としては実は日本語のほうが難しいそうです。
図1:講演の様子 by 某通信会社社員
講演#3(英語の勉強法 by 某総合メーカ社員)
大学時代から社会人時代にかけて学業・仕事で結構な割合で英語に触れていた方から、お話をいただきました。広い観点で様々な話を少しずつ講演していただいたが、ここではその一部を抜粋します。
◆英語ができることによる主なメリット
視野が広がる(特に情報量が少なくなりがちな聴覚障害者にとっては重要)
仕事の幅が広がる(上司はその仕事ができそうな人に振りがち)
◆「英語ができる」は「翻訳ができる」ではなく「日本語を介しないで英語で考える」こと
◆ 聴覚障害者はReading/Writingを伸ばすことで自分の武器を増やすことが大事
◆ 本人のこれまでの英語の勉強方法(一部)
英語をイメージとして捉える(例:前置詞のin, on, over等をイメージで捉える)
動画やTVを英語字幕で見ることで英語のスピードに慣れる
接頭辞(例:inter-, re-)、接尾辞を覚えることで単語を予測する力を上げる
常に疑問を持つこと(例:複数の表現が思いつく場合、その表現にニュアンスの違いがないか?を調べる)
グループワーク
参加者を数チームに分けた後、チームごとに全員でポストイットや模造紙を活用しつつ、参加者同士で下記の情報交換を実施した。
図2:グループワークの様子
これまでに英語を使った場面
これまでに英語で失敗したこと、できなかったこと
体験談やグループワークを通じて一番印象に残ったこと、他の人の英語経験、失敗談を見て感じたこと、今日発見したこと等
まとめと所感
今回の企画は、聴覚障害者という観点からの英語の勉強方法等の情報交換という点で、他ではほとんど見られない新しい試みだったと思う。前半の体験談でも、実際に大学時代や社会人時代に英語に触れている方からの英語の勉強方法やポイントについての話があり、参考になった部分も多かったと思う。また、後半のグループワークでは、参加者同士の情報交換もでき、英語関係のコミュニティのきっかけになればよいと思う。今回はあくまでも情報交換という試みであったが、今後それをどう生かすかは各参加者次第でもあり、我々東京Connect –SPUTNIK-次第でもある。我々としても、今回のきっかけを今後何らかの形で生かしていきたいと思う。
以上。
-レポート作成者 伊藤建志-